【フライアッシュのコンクリート分野における有効利用】



フライアッシュとは、火力発電所で石炭を燃焼した際に排出される灰です。フライアッシュはセメントやコンクリートに混合する等で有効利用されていますが、昨今の社会情勢の変化に伴って火力発電所の稼働率が高まることも予想されるため、さらなる利用拡大が望まれています。そのためには、フライアッシュを混合した場合のコンクリートの耐久性(特に中性化に対する抵抗性)を明らかにしておく必要があります。 フライアッシュは、セメントの水和反応により生成した水酸化カルシウムと反応(ポゾラン反応)して組織を緻密化させるため、外部からの二酸化炭素の侵入を抑制します(中性化を抑制する効果)。その一方で、水酸化カルシウムを消費するため、コンクリートのアルカリ性を低下させます(中性化を進行させてしまう)。このように、コンクリートにフライアッシュを混合した場合は中性化への影響が複雑であるため、フライアッシュのメリット・デメリットを明らかにした上での有効利用方法を研究しています。